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ICU心理臨床家の集い 報告(2025.2.23)

ICU心理臨床家の集いは、2025年2月23日に第30回の節目を迎えました。今年は会場をアラムナイハウスからダイアログハウスに引越し まして……学内でまさかの遭難者(?)を出しながらも、和やかでユーモラスな雰囲気で開催されました。
この度は、日本プレイセラピー協会理事としてご活躍の 清田真由美 さんに『遊び再考』といったテーマでミニレクチャーをしていただき、ご自身の臨床活動やプレイセラピーにおける遊びの考え方等について教えていただきました。また、「脳幹:睡眠や体温調節」、「間脳・中脳:身体感覚」、「辺縁系:感情」、「新皮質:言語・論理」といった脳の各部位の機能にあわせた遊びについて、楽しい体験ワークを交えながら学ぶことができました。さらに、遊びはセラピストの日々の臨床活動の中でのセルフケアとしても活用できることを伺いました。例えば寝つきが悪かったり、五感が遠く感じられたり、気持ちが妙にささくれていたり……自分自身の不調になっている感覚をとらえて、それに対応する脳の部位を刺激する遊びを自ら処方するといった考え方が非常に印象的でした。
レクチャー終了後はメンバーの自己紹介を経て、お待ちかねのお菓子タイム!世話人が準備したものだけでなく、プロ顔負けのお手作りの品や皆さまが吟味して持ち寄ってくださったお菓子もたくさんあり、とても美味しくいただきました。
そして、お腹を膨らませた後は眠気が……とはいかないのが、さすがICUの民。遊び心溢れるメンバーによる語らいも大変盛り上がりました。子供時代にはまった遊びについて、何人かの体験談を伺いましたが、ほのぼのとした遊びからやんちゃ極まる遊びまで、幼少期の時点で既に未来のICU生らしい片鱗を垣間見ることができ、非常に面白く感じました。
また脳機能と遊びとの関連について、講義を通して心を動かされたという方が多く、中には新しく開設予定の相談室のプレイルームに脳に因んだ名前をつけようといった斬新すぎるアイデアまで登場。果たして前代未聞の「辺縁系の間」が実現する日は来るのか!?続報を期待しております!
さらに、今年は対面とオンラインのハイブリット形式という本会初の試みを行いました。残念ながらディスカッション中に音声や映像の接続不良といったトラブルが発生し、オンライン参加者の皆様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りてお詫び申しあげます。しかし、今回明らかになった課題も含めて、今後の会の開催方式について可能性を広げる一歩となったのではないかと考えています。
最後に、本会は心理臨床に携わるICU関係者が集い、お互いの仕事や研究について語り、時には悩みや愚痴を分かち合い、前向きに楽しく情報交換を行う集いです。年に一回の総会だけではなく、普段はメーリングリストを通じた交流を行っております。もしもご興味が沸いた方は、ぜひICU心理臨床家の集い事務局(e-mail:icutsudoi[at]yahoo.co.jp)までお問い合わせください。皆様のご参加を心からお待ちしております。

文責 糸野海生 (ID 20)