私は1960年代にICUで学んだ卒業生で野口薫と申します。小塩節先生がフンボルト奨学生としてドイツに行かれた後、1962年から1964年までドイツ語とドイツ文学史の授業を担当されたスイス人アドルフ・ムシュク先生の授業を受け、ドイツ文学研究者として八王子にある中央大学文学部に長く勤務、2013年3月に定年退職して今に至っております。
アドルフ・ムシュク氏(Adolf Muschg - Wikipedia 参照)は、スイス帰国後間もない1966年、日本体験を基にした小説 “Im Sommer des Hasen” (邦訳は宮下啓三『兎の夏』、新潮社 1972年)をもってヨーロッパ文壇にデビュー、以来、大変多くの作品を発表、G. ビュヒナー賞など大きな賞を多数受賞、日本をテーマないし舞台とする著作も複数あり、最近では2017年、東日本大震災の被災地福島を自ら訪れて書いた小説 “Heimkehr nach Fukushima” (邦訳は野口薫他『フクシマへの帰郷』、eブックランド社、2021年)を著しました。
昨年、スイスにおいてムシュク氏を主人公とするドキュメンタリー映画 “Adolf Muschg – der Andere” (Erich Schmid監督) が制作・公開され、大好評を得ました。氏が自分と関りの深い町やスポットを訪れ、これまでの歩みと作品を振り返りつつ、日本が自分にとって持つ意味についても感慨深げに語っている映画で、氏が晩秋のICUを訪れ、キャンパスを懐かしそうに散策しているシーンもあります。
そのムシュク氏がこの映画を携えて11月から12月にかけて来日されますので、これを機に以下にご案内の通り、「アドルフ・ムシュクを囲む会」を催します。皆様のご来場、ご参加を心よりお待ちしております。
アドルフ・ムシュクを囲む会
- 日時:2022年12月10日(土)午後3時-6時
- 場所:明治大学、リバティタワー7階 1075教室
https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html - テーマ:映画「アドルフ・ムシュクともう一人」(日本語字幕付き)鑑賞の後、ムシュク氏との質疑応答、ないし懇談を予定。
- お申し込み方法:申し込み不要。上記URL地図を参考に直接会場においでください。
- お問合せ先: 野口薫(mfilm101222[at]tokyo.so-net.jp)
AMuschg_Poster_J 20221107(PDF)
文責: 野口 薫(9期 1965年卒)