ICUの学生さんたちへ
本来であれば、緑豊かなキャンパスの中で、先生からの講義やクラスメートとのディスカッションを通して、自らの学びを深めることができたはずです。また、これまで当たり前であったクラブ・同好会活動も、自粛せざるを得ない状況にあることは誠に無念でしょう。しかしながら、皆さんは、大いなる不安と不満がある中、自分たちが置かれている状況をしっかりと自覚したうえで、だからこそ今学ばねばならないことがあると信じ、日々勉学に励んでいるのだと思います。たとえキャンパスで集うことが出来なくても、さまざまなSNSツールやテレビ会議システムを駆使し、仲間たちとの連携を深める努力を続けているはずです。皆さんの取り組んでいる様子は、SNSの検索機能を利用し、小生も垣間見ることができました。私が学生だった40年前とは全く違う世界になったのだなとつくづく実感しています。また、皆さんの真剣な姿勢をみるにつけ、学ぶ権利をだれも奪うことはできない、奪ってはいけないと強く思っているところです。皆さんにひとつお願いがあります。どうぞ、苦しくなったら、ぜひ声をあげて、同窓生に助けを求めてください。ICUは、戦後の苦しい時期にもかかわらず、明るい未来を若者に託した人たちの寄付で献学された大学です。社会人となって、ICUで受けたすばらしい教育の恩恵に感謝し、そのお礼をしたくても、ICUを創ってくださった方々の多くは天に召されています。今、私たちができるのは、我々が受けたご恩を次の世代に送ることです。こうした思いは私だけでなく、多くの同窓生がみな感じているはずです。困ったことや苦しいことがあったら、身近にいる同窓生に声をあげてください。その人ができなくても誰かがきっとあなたを助けてくれるはずです。
神様が皆さんをICUファミリーの一員としてお選びになりました。その皆さんが、コロナ禍の影響により、緑豊かな学び舎から去ることがないよう、最善を尽くしたいと思っています。これは、先人から受けた恩を次の世代に送っていくことが私たちの使命だからです。
夜明けはかならずやってきます。みんなで、秋の紅葉や来春の桜並みを満喫しましょう。キャンパスで皆さんにお会いできることを楽しみにしています。
The Weekly GIANTS 初代編集長
中嶋 隆(儀作)
文責:中嶋 隆(WG支部長、ID80)