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蘇った滑走路の桜!

2014年に受賞した「ドリコン」の企画がこの9月、5年ののちに完了いたしました。この場を借りてご報告いたします。

私は同窓会の主催するドリコン2014にて、『朽ちゆく桜を次の60年へ ICU図書館に桜の板の看板を』と題し、伐採された「滑走路」のサクラ材を看板として仕上げICU図書館に設置したい、という企画で出場いたしました。結果、光栄にも銀賞(20万円)と、当時の同窓会長の名を冠した木越独歩賞(5万円)を受賞し、企画がスタートしました。ICU図書館に設置する看板は、内村鑑三記念文庫に設置する立て看板に決まりました。
そもそもこの企画のきっかけは、老いて伐採されたサクラの大木が当時放置されているのを見たことでした。開学当初からICUとともにあったサクラを、このまま捨てておくのはとてももったいないと思ったのです。
さて、丸太の運搬から製品の塗装まで、「木工房くこ」の千田哲史さん(ID:94)に全面的にお力添えをいただき、私は文字の書字と彫り込みを行いました。受賞からおよそ1年後の2015年10月、私の社会人1年目のときのICU祭で看板は披露されましたが、うかつにも内村鑑三の「鑑」字に異体字を使ってしまいました。個人名という性質上、表記は忠実でなければならず、お披露目の後、図書館への設置は当時かないませんでした。
その後、千田哲史さんに後押しいただき、再制作を決めました。 板を5ミリほど削ることで文字を消し、新たに彫り直すことが可能だったのです。長期の中断をはさみつつではありましたが、受賞から5年ののちついに完成し、2019年9月24日にICU図書館へ引き渡しをさせていただきました。
一度は頓挫しかけたものの、滑走路のサクラを形に残す(しかも在学生をはじめ多くの関係者の目に触れる看板として)ことができたことを、大変光栄に思います。また、伐採されるサクラの有効活用が他にも広がれば、と思いました。
最後になりましたが、企画当初から納品までお力添え頂いた千田さま、そして看板の設置をご快諾いただき、さらに数年越しの引き渡しにも暖かくご対応いただいたICU図書館の浅野さまはじめスタッフの皆様、そしてドリコンの関係者の皆様に感謝申し上げます。
文責:百瀬晃平(ID:15)