第7回となる16期会(1968年度入学生)の同期会は、去る6月24日(土)11時からシーベリーチャペルで開催されました。
昨年10月に続いての開催で参加者は31名。
今回は東哲郎さんの講演で幕を開けました。演題は「最先端半導体技術の持続可能な開発に向けて――まだ見ぬ過去・今ある未来への挑戦」。ラピダス会長として日本の半導体産業復活という難題に先頭切って取り組んでいる東さんのお話は、1960年ICUのコンヴォケーションに招かれた井深大氏(当時のソニー社長)の講演映像から始まりました。その中で井深氏が「人工知能と半導体こそがソニーの夢であり、将来の最重要課題となる」と語っていて、その先見の明に改めて驚くとともに、そこに東さんのチャレンジ精神が二重写しに重なっているようにも見えました。衰退に向かう日本ということがしきりに言われる中で、そんな風潮を振り払うかのように明るくポジティブに難題に立ち向かう東さんの姿勢に感銘を受け、自分も「もう歳だから」などとは言っていられないと元気をもらった方も多かったようです。
前回の三嶋輝夫さんの講演「ギリシャ・ローマの古典に学ぶ老いと付き合う法」も好評でしたが、それとは異なる分野・視点から良い刺激を得ることができたのではないでしょうか。
講演後は、会食と懇談が続き、富岡理事の案内でシーベリーチャペル北に隣接して建てられた、トロイヤー記念館の見学に移りました。
同期会はここで一旦中締めし、希望者は午後二時からの大学教会におけるチェンバロ・コンサートに向かいました。トークを交えた水永牧子氏の演奏は、親しみやすくしかも音楽的にもレベルの高い好演となり、ゲストのソプラノ歌手の川口聖加氏の透明感のある声楽を挟んで、手応えの感じられる演奏会になりました。ウクライナからの学生支援のためのチャリティーコンサートと銘うったこのコンサートには、事前の予想を超える350名超の聴衆と多額の寄付金が集まり、最終的に698,184円をFriends of ICUに寄付することができました。お力添えをくださった皆様に感謝いたします。
文責:大西直樹(16期)