■プロフィール
香港の日本人学校からICU高校に入学し、ICUに進学。メディア研究を専攻しながらも、国語の教職を取得。一般企業から内定が出ていたにもかかわらず、タイの日本人学校教員への道を選ぶ。現在は都内の公立高校にて国語の教師として、ダンス部の顧問として活躍中。
入口はメディア、出口は教師
- 諸岡
- まずなぜICUに入ったのか、からお聞きしてもいいですか?
- 武田
- 私はICU高校出身なんです。中学は香港の日本人学校に通っていたので、帰国子女を受け入れている校風が良いがいいなと思って、ICU高校への入学を決めました。
- 諸岡
- そうだったんですね。
- 武田
- 大学を選ぶときは、今すぐ学びたいことを一つに決めずに、色んなものを学べるというリベラルアーツに惹かれたのもあって、ICUに進学しました。
入学当時はメディアに興味があったので、ICUではメディアについても学べそうだという事で、進学を決めました。
- 諸岡
- メディアのどういうところに興味があったのですか?
- 武田
- CMや広告がすごく好きで、それについて学びたいなと思っていたんです。高校時代からダンスをやっていたのですが、人に見せることや伝えることにすごく興味があったんです。大学に入ってからもダンスは継続していました。
- 諸岡
- 広告もダンスも、人に何かを伝えるという共通点があったわけですね。高校の段階からやりたいと思えるものが決まっていたんですね。
- 武田
- 誰もが、高校の時に一度、大まかな進路を決めなくてはいけないですよね。
私は数学以外なら大丈夫かな、と思っていたのですが(笑)、漠然とメディア関係の仕事に携われたらいいなぁ、と考えていました。それも含めて広く学べるところということで、ICUに入りました。
- 諸岡
- ちなみに、どの学科に入学したのですか?
- 武田
- 当時、国際関係学科に言語コミュニケーションという専攻があって、そこにメディア研究の分野があったんです。なので、国際関係学科に入学しました。
- 諸岡
- なるほど。そのまま専攻もメディア研究で卒業されたのでしょうか?
- 武田
- ところが、国際関係学科と教育学科の科目を両方を取って、結局最後までどちらかに絞ることをしなかったんです。
- 諸岡
- えっ、教育学科ですか? どうしてそちらにも興味を持ったのでしょうか?
- 武田
- ちょうど二十歳になった頃、香港の日本人学校の同窓会で先生方に久しぶりにお会いして、先生の仕事の素晴らしさを知ったんです。
その先生が、こんな話をしてくれました。「すぐに成果は見られないかもしれないけれど、教え子が後から色々な影響を受けて成長した姿を何年後かに見られて、自分が先生としてそこに関わったことがプラスに感じられる瞬間が来るんだよ。」その話を聞いたことがきっかけで教員免許を取ることにしました。
- 諸岡
- へぇ、そんな出会いがあったんですね。
- 武田
- ただ、その時点から教職を目指しても、教育実習など必修の単位を取っていくと四年間では卒業できないことも分かりました。
ま、仕方ないかなという感じでゴニヤ覚悟でやっていくうちに、日本語教師もいいなと思いはじめたりして、さらにどつぼにはまってしまったんですけどね(笑)
- 山崎
- そういう経緯があったんですね!
- 諸岡
- 教職、日本語教員と、すごく多忙なICUライフですね。でも先生がいいなと思ってから、教職課程を最後まで取ろうという熱意をどう保ったのかがすごく気になります。やっぱり教職は大変すぎて途中で辞めてしまう脱落者も多いイメージがありますし‥‥。
- 武田
- そうですね、モチベーションに関しては、四年で卒業できないと言われたのがすごく大きいと思いますね。同級生が先輩になる訳で、皆が就職活動で自己分析してたりする様子を見て、とても刺激を受けるんですよ。でもそこでやっぱり教職と一般の職業は全然違うことを改めて感じて、どうしよう、どうしようとすごく迷いました。その優柔不断さが逆にモチベーションにつながっていたんでしょうね。
- 諸岡
- 最終的になぜ教職の道を選ばれたのでしょうか?
- 武田
- それもまた紆余曲折で‥‥。実は就職活動もして、内定もいただいていたんです。でも卒論でお世話になった先生から日本人学校の募集があるから行ってみたらという勧めも受けていて、最後まで迷っていました。バンコク日本人学校か、国内の企業かを、一日で決めなきゃいけなかったんです(笑)。
- 一同
- えっ‥‥! 最後は何が決め手になったのでしょうか?
- 武田
- やっぱり自分が日本人学校を出たというのもあるし、先生っていいなという思いも強かったんでしょうね。もちろん広告をやりたい思いもあったんですが、広告では商品を売るとき、企業がどれだけ利益を得るかが重要な一つの視点になってきますよね。でも私は伝え方に興味があったわけで、利益の側面はミスマッチかもしれないと思いました。だったらそういう側面のない教員の世界に入って、海外でチャレンジしてみようと思ったんです。
生徒と対話がしたいから、してほしいから
- 諸岡
- 現在は国語の先生をしていらっしゃるんですよね。
- 武田
- はい、今は都内の高校で国語を教えています。
任期三年のバンコク日本人学校での仕事が終わって帰国したときに、私立の先生になるか公立の先生になるか、2つの選択が自分の中にありました。実際、私自身は公立に通ったことが無いので、公立の文化を理解できるだろうかと悩みました。
でも、公立は転勤で多くの生徒に会えるから自分の幅が広がると思って、最終的には都立高校に決めました。
- 諸岡
- なるほどそうなんですね。ところで、なぜ国語の教員になろうと思ったのですか?
ICUといえばでは英語の教員が多いイメージですが‥‥。
- 武田
- そうですね。確かに英語とも迷ったんです。海外で暮らしていた事もあって、英語を話す環境で育ったので、英語を使える幸せは、確かに知っていました。
でも他の日本人にとっては必ずしもそうとは限らないし、そもそも日本語的に文法を理解できない子に、英語を教えるのは先生にとっても生徒にとっても難しいことだと思ったんです。それよりは、もっと授業の中で生徒達と対話したいと思ったので、国語の教員に決めました。
- 諸岡
- 具体的にはどんな授業をしていらっしゃるんですか?
例えば、ICUのリベラルアーツ教育の中で教職を取ったからこそ他の先生とは違う、ということはもあるのですか?
- 武田
- そうですね、それもあると思います。少なくとも私は、常に変な授業をしていると言われるんです(笑)。
- 諸岡
- 変な授業ですか(笑)
- 武田
- 具体的には、生徒のモチベーションが低い時に、どうしたら生徒達が興味を持てるかをすごく考えますね。自分の好きなものを教えることでなく、生徒達「が」何かすることが私の軸なんです。
もちろん生徒達に新しい知識を与えることは大事だけど、色んなことを好きだと思ってもらえることの方がもっと大事だと思うんです。
- 山崎
- なるほど、普通は先生の知識を教える授業が多いですよね。
- 武田
- 例えば、先日、詩を使った授業があったのですが、写真をコラージュして、これはどの詩にあてはまるか、どれが好きか、なぜ好きかなど、生徒達の中の詩のイメージを膨らましてもらってから、分析していきました。
もちろん、一般的な解釈も教えますが、とにかく詩を楽しんでいいんだよって伝えたくて、言葉だけでなくて写真も取り入れました。そんな事、他の先生はほとんどやらないんじゃないかな。
- 諸岡
- すごく楽しそうですね!
よく「先生が好きだとその教科は嫌いにならない」と言われると思うのですが、やっぱり先生の熱意によって生徒の反応は違うんですか?
- 武田
- そうですね、先生の熱意は生徒に伝わりますね。だから本当に教師のコミュニケーション能力が大事だと思うんですよね。先生達がいかにその能力を持っているかで、生徒達の反応は全然違います。
- その先生が自分達の言う事を全然聞いてくれないと思うと、生徒達は明らかに授業中の態度も悪くなるんですね。もちろん先生が文学が大好きで、それについて一生懸命語るのは良い事なんですが、いかにそれを生徒に分かりやすく伝えるかがもっと大切です。
- 山崎
- なるほど、伝える事が大事なのですね~。ところで、ICU時代学んだ「言語コミュニケーション」とつながりはあるのでしょうか?
- 武田
- あまり意識はしていないけれど、あるのかもしれませんね。コミュニケーションが授業の前提になっているという意味では、もともと自分の興味のあった分野でもあるし、自分なりに何かしらの形で生かしているかもしれないです。
- 諸岡
- ところで、日本人学校時代の経験は、今どのように役に立っているんですか?
- 武田
- 日本人学校は中学校だったので、中学生を知った上で高校生を教えるというのは、生徒達のバックグラウンドを広い意味で知っている点でとても良い事だと思います。
ちなみに、日本人学校の先生は、自ら希望して入る先生がほとんどで、三年間という任期も決まっているし、周囲の先生から吸収できるものは全部してしまおうという教育に向ける熱意が凄かったですね。あの三年があって、改めて「教員っていいな」と思えたので、今でも生かされていると思いますね。
- 諸岡
- 具体的には、どんな面が良かったですか?
- 武田
- 小中一貫だったので、子ども達も9年間の中で成長するんですよね。それと、教員同士の絆も全然違いましたね。アジア最大の日本人学校で、とにかく生徒数が多かったんです。
例えば、バス送迎の関係で登下校の時間が厳密に決まっていて、どんな大事件が起きても時間通りに帰らせなければならなかったので、今以上に教員同士100%密なコミュニケーションが必要でした。
- 山崎
- 学校によって全然違うんですね。
ちなみに今国語を教えてらっしゃって、国語の先生として最終的なゴールというか、目的のようなものはありますか?
- 武田
- 色々な目的があるとは思うんですが、私はとにかく自分なりの考えを書いたり、話したりすることで、的確に伝えられることが大事だと思います。例えば、「ヤバい」って言う言葉がありますよね?
- 諸岡
- はい。若者言葉ですね。
- 武田
- 高校生の使う「ヤバい」は、年上の人には伝わらないですよね。でも、高校生達は他に言い方を知らない。
そこで、授業で生徒たちに「ヤバい」という単語の意味を自分たちで考えさせて、彼らなりの定義を創る、ということをしました。
- 諸岡
- へぇ~、おもしろそうですね!
- 武田
- 単語一つを取ってみても色々な意味がある訳で、そういうことを考えることで、自分達の言語に対する意識を高めてほしいなと思います。他の世代にも伝わるようにコミュニケーションができる人になってほしい、というのが今の目標ですね。
- 諸岡
- うーん、なるほど。言語を使って的確に伝えるというのは、まさにICU時代の「言語コミュニケーション」につながる部分がありそうな気がしますね。
リツイートされたら、うれしい?
- 諸岡
- ICU時代に熱中していたことは何ですか?
- 武田
- ダンスですね。毎日踊ってから、ダンス部の幹部としてミーティングをして、終電前に急いで帰っていました。通学も片道二時間だったので、とても忙しい毎日でしたね。
- 諸岡
- えー!それは大変ですね!
- 山崎
- 今は部活の顧問をされているんですか?
- 武田
- はい、ダンス部の顧問なんですよ。
- 山崎
- 私は、学生生活の中で部活の存在は大きいと思っているのですが、武田さんが部活で伝えたいと思っていることと、国語の授業で伝えたいと思っていることは違いますか?
- 武田
- 伝えることとしては、基本的にはそれほど差は無いと思います。例えば、ダンスでステージを使うときに、そこで音を流すと他の部活に迷惑をかけるかもしれない。ステージを使わせてくれている他の部活の人たちに対しての態度について考えるように、生徒達には話しています。そうじゃないと視野が狭くなって、楽しく踊っているだけで終わってしまうんですね。世界には自分達とは違った人達もいるという視点でものを見てほしい。国語の授業も一緒で、自分達とは違った考えを持っている友達もいることを知らなければいけない。だから外の世界を知らなければいけないという意味では同じことを言っていると思います。
- 一同
- なるほど面白いですね、違いを認め合うということですね。
- 武田
- 例えば、Twitterでしゃべっていることをリツイートしてくれた友達や、お気に入りしてくれた友達との関係をすごく大事にしているように思えます。
- 山崎
- すごくよく分かります。友達と同じじゃなきゃ嫌だ、違う状況にあることに不安を感じてしまうというようなことですね。
- 武田
- そうです。みんな同じっていうことに固執している。違うということが素晴らしいという経験をおそらくしていない。でもやっぱり違うということは素晴らしいですよね。そうあるべきだと思うんですけど。
- 山崎
- ICUにいると1人1人が違っていることが当たり前というような感覚になります。
- 武田
- そうですよね。違いを素晴らしいと思う事が、例えば生徒たちの英語を学ぶモチベーションにもなってくると思います。彼らは「日本にいるんだから日本語だけでいいじゃん」と思っていますからね。
- 山崎
- なるほど‥‥。
- 武田
- そのためにも、まずは近い世界でも違いがある事を認められるような手助けをしたいと思っています。
- 山崎
- ところで、違うことを認め合う大切さにICUで気づいてきた私たちなんですが、私は今二年生で、候補にしたいメジャーがいくつもあって悩んでいるのですが、何かアドバイスはありますか? 人類学も開発研究も国際関係も全部興味があります(笑)。
- 武田
- それだけ興味あるものが多くあるなら、何でも学べる幅広いメジャーを選んだ方が良いと思いますね。そこから自分のメジャーを狭めていけば良いと思うので。
- 山崎
- ちなみに、卒業研究でお世話になりたい先生はどうやって決めましたか?
- 武田
- 授業に出ていて自分が興味があることを話していたりとか、あとは人柄ですね。相談できる先生かも含めて決めましたね。皆さんは卒業後の職業を決めていないから迷っているんですか?
- 山崎
- どんなメジャーを選んでも後々キャリアに何らかの形で生かされるということはだんだんわかってきました。でも、メジャーとキャリアは直結していないと言われて、ちょっと疑っている部分もあります(笑)。
- 武田
- 逆に直結している人は本当に少数だと思うんですよね。それこそ先生くらいじゃないですか。興味がある学問に関連する仕事に就きたいと思うことは当然ですが、学問と職業を選ぶときの観点が必ずしも一致していなくていいと思うんですよね。
- 山崎
- そうですか‥‥。
- 武田
- 興味を持っていることに自分が一直線に行きがちで、それ以外の道に対して不安な気持ちを持ったりするとは思うんですけど、実際社会でどれだけアカデミックな知識を使って働くかはあまり関係のないことだと思います。逆に自分が学んできたことと直結していない知識があった方が、自分の中の柔軟性で仕事を広げていけると思います。だから好きなものを学べばいいんですよ。
- 諸岡
- ちなみに唯一メジャーとキャリアが直結しているとおっしゃった先生という職業には、大学の学びが直接的に活きるんですか?
- 武田
- もし文学を専攻していて文学を教える先生になったとしたら直結しているでしょうね。例えば古文専攻で源氏物語の研究をして、古文の先生になるなら直接活かしていますよね。ただし最近は、専門的な研究を生かしてすぐに先生になる人だけでなく、民間企業で働いた後に先生になる人もかなり増えていますね。生徒達が多様化してきているので、色々な経験を積んだ上で、生徒を理解できるような器を持った先生が活躍しているような気がします。
- 諸岡
- そういう意味では、大学での学びが比較的直結していた先生という職業でも、変化が起きつつあるんですね。
人生は一度きり、でも一度では決まらない
- 山崎
- 武田さんがICUの生活の中で得たものは何ですか?
- 武田
- 私の場合はダンスです。と言っても、踊る技術ということではなく、ダンスの組織作りや、その人間関係をいかに良くしながらチーム運営をしていく事が一番大きな得たものですね。
- 山崎
- なるほど~、それほどダンスに注力なさっていたのですね。一方で私は、今はテニスに注力しているのですが、他にも色々と挑戦したい事があって、全部が中途半端になってしまうのではないか心配です。
- 武田
- いろいろチャレンジする中で何もかも中途半端になってしまうと考えるよりは、多くのことに挑戦できるんだ、と思った方がいいよね。だからまずは、全部一生懸命やってみた方がいいんじゃないかと思います。
- 山崎
- そうですよね。じゃあ、どれも一生懸命やります!(笑)
- 諸岡
- 私は将来本当に教師になりたいか分からず、今すごく悩んでいます。何かアドバイスはありますか?
- 武田
- 職業選択のチャンスは一回じゃないと思います。転職することは別にマイナスではないので、最初は自分がやりたいと思うことをやって、違ったらまた別の道を選べば大丈夫。もちろん新卒時点での職業選択はとても大事だと思うんですけど、その一回きりで自分の人生が決まるというものではないと思うんですよ。
人生の転機はたくさんあるから、その転機の時にちゃんと自分に向かって考えられればいいんじゃないかなって思いますね。
- 諸岡
- そうは思うのですが、三年生になって周りが就職活動を始める時期になったら、やっぱり教員になるか、他の職業につくかの選択に迫られてすごく迷うと思うんです。教職を取りつつも、企業への就職にも悩んでいる学生達に対して、何かアドバイスいただけませんか?
- 武田
- 個人的には、教員一本でやっている教員より、民間企業を経験してから教員をやる方が良いと感じています。昔は先生が教えてあげるという意味で聖職と呼ばれていた時代もあったんですが、今までの先生とこれから求められている先生は違いますよね。生徒達が社会に出ていくのに対し、自分達は何を教えられるのかが問われているんです。専門科目は詳しくても社会を知らない人よりは、社会に出た経験を持った人の方が社会のことを多く伝えられると思います。
- 諸岡
- なるほど。一回寄り道をしてから教師になるということですね。そういった人はどのくらいいるのでしょうか?
- 武田
- ここ2,3年のことかもしれないのですが、高校の教員として採用されるのは、ピカピカの新卒より社会人経験のある人の方が多くなっている気がします。前職が児童相談所、IT企業、教育系出版社の人や、私のように校種が違う人もいますね。
- 諸岡
- 民間企業に就職した後で教職の道にもう一度戻る時に、自分の気持ちの面や、企業の状況的に難しいということはないのでしょうか?よく、一旦企業に勤めると辞めるのは難しいと聞くのですが。
- 武田
- それはとても個人差のあることだと思います。おそらく、最初から教職に戻る事を前提に企業に就職する人は少数で、企業で働いてみてやっぱり先生がいいなと思って戻ってくる人が多い気がします。働き方が違いますし、何と言っても接する人達が全然違いますよね。子どもと接する職業って他にあまりないですよね。
- 一同
- うーん、確かに!
- 武田
- だからやっぱり、子どもと交流しながら何か伝えたい、学びたいなと思うと、戻るところは教職しかないので、そう感じた人達が来るんだと思います。今は三年くらい社会人経験があると、公立なら社会人枠で教員採用試験を受けやすくなっているんです。論文と面接だけで、筆記試験が免除になったりします。全体的に社会人経験のある人を教員として求めているんでしょうね。
- 諸岡
- なるほど、そういう時代の傾向になってきているんですね。やっぱり、ずっと教員一本でやってきた先生と社会人経験があって外から入ってきた先生とでは、違いがあるのでしょうか?
- 武田
- うーん、全然違いますね。例えば、仕事の仕方や時間の使い方。民間での経験のある先生は、時間の制約がある中で仕事をしてきた人達なので、仕事をさばくのが上手い。生徒と向き合う時間をより多く確保できています。
他にも、休暇の感覚なども、企業文化を経験してきた先生とそうでない先生は、異なる考え方を持っていますね。
- 諸岡
- 武田さんの先生としての将来的な目標はありますか?
- 武田
- 目標は生活の指導を授業でできるようになることです。授業を通じて、知識だけでなくて生活の指導になるような授業をする先生が私の人生の中には何人かいました。そういう先生になるために、授業の内容もいろんな引き出しを増やしていきたいですね。そして、生徒達の若い文化を常に吸収し続けて、生徒に対する理解を持っていられたらと思っています。
- 諸岡・山崎
- 今日はメジャー選択や教職課程に悩む学生へのアドバイスがたくさん聞けてとても参考になりました。ありがとうございました。
<おわりです>