■プロフィール
2001年に理学科を物理学専攻で卒業。ICUの大学院にて修士課程終了後、2006年までドイツ ケムニッツ工科大学の博士課程に在籍。2006年にドイツ住友商事会社に入社。2009年に日本の住友商事株式会社に入社し、自動車関連の部署に配属、現在に至る。
聞き手:櫛田さん(3年生)、高石さん(4年生)
物理の世界以外に身を投じるなんてありえなかった
- 高石
- 鈴木さんは、ICUではNS(自然科学科)に入学して、物理を専攻なさったとお聞きしました。いつ頃から理系を勉強しようと考えていたんですか?
- 鈴木
- そうですね。僕はもう小学校の頃から理系を目指していました。これからの世の中は、コンピューターと英語が出来ないとだめだとなんとなく思っていました。
- 櫛田
- すごい小学生ですね!(笑)
- 鈴木
- 生まれ育ったのが埼玉の田舎の方だったんです。田んぼがひろがり、猟銃を持った人がいるような‥‥。その影響からか「もっと外の世界を見なければ」と思うようになりましたね。さらに言えば、シャーロックホームズのテレビ番組が大好きだったので、海外に行きたい気持ちはありました。あと、小学生の頃からコンピューターが大好きで、自分でプログラムをなんとなく勉強するようになりました。
昆虫は大嫌いで触れないけど(笑)、物理も好きだったので、文系の分野が苦手だったこともあり、何の疑いもなく理系の道を進んできたわけです。
- 櫛田
- 小学生の頃から理系って、すごいですね‥‥。
- 高石
- 理系の大学が数ある中で、なぜICUに進学しようと思ったのですか?
- 鈴木
- 中学の頃は、イギリスにある日本人学校に通っていたんです。
高校受験をする時に、もう大学受験はしたくなくないな、と思って、とある大学の付属高校に入学しました。「大学もエスカレーターで入れるし、これで受験生活は終わったー!」と思っていたんですが、高校一年生の夏、先生に進路のことを相談して、その時初めて知ったんです。
その大学には、理系の学部がない!
- 一同
- えーっ!(爆笑)
- 鈴木
- っていうところから始まったんですよ。あー、そうかー!と。理系がない総合大学もあるよな、って。
- 櫛田
- 意外な落とし穴ですね‥‥。
- 鈴木
- 理系分野に特化した大学を選ぼうかとも思ったけど、一方で英語のレベルも求めて行きたい。理系で英語もできるという視点で捜したら、ICUという選択肢が残ったんです。そこの目論見は外れていなかったと思います。
実際に理系の授業は三分の一くらいが英語でした。同じ教科なのに、タームごとに英語の先生だったり日本語の先生だったりするんですよ。専門用語も、英語で学んだものと、日本語で学んだものが混在していたので、その後に海外に行くと、ちょっと抜け落ちていることもあるから改めて勉強したりしましたね。
そのときは自然な事でしたが、振り返ってみれば面白い経験をさせてもらいましたね。というか、それが強みにもなりました。海外の大学院だと、専門用語も含めて英語でプレゼンやらなきゃいけないですからね。
- 高石
- それにICUのELP。あれはよく練られたプログラムだったなと、今でも思います。
商社にも「英語なんてお手の物」っていう人がたくさんいて、英語が話せるだけでは何の取り柄にもなりません。
実際のビジネスで必要なのは単に英語がしゃべれる事ではなくて、ELPで学んだロジカルシンキングとかクリティカルシンキングとか、なにか目標を達成するために、いかにロジカルに英語で組み立てて進めていけるか、なんですね。
今振り返れば、ELPで学んだ英語のスキルだけじゃなくて、そういった論理の組み立て方がすごく役に立っていますね。
- 櫛田
- 商社ですから留学経験者とかも多いと思うんですが、海外に住んだことがあって英語できますっていう人と、ELPを学んだ人とは違いますか?
- 鈴木
- 商社の仕事というのは、一概には言えませんが、端的には日本を世界に売り込む営業マンのような仕事です。これは商社に限らず海外と取引するビジネスパーソンに当てはまると思いますが、知らない分野を素早くキャッチアップして、自分なりに咀嚼して、英語で交渉する事が求められる場面が多くあります。
ICUで学んだことっていうのは、そのベースにとても大きく影響してると思います。ICUで四年間教育受けていると、全く知らない分野のことでも英語で臆せず突っ込んでいける。そこにハードルを感じない事は、すごいアドバンテージだと思うんですよね。
- 櫛田
- なるほど、そうかもしれませんね。
- 高石
- でも、鈴木さんは大学卒業後、就職の道を選ばずに、ドイツの大学院に進学なさったんですよね。
- 鈴木
- はい、大学院当時は、物理の世界以外に身を投じるなんてありえなかったですね。ましてや商社なんて、考えもしなかったんです。
海外の大学院に進学したのは、当時取り組んでいた研究分野を取り扱っている先生が、ドイツとアメリカにしかいなかったからです。進学した後は、大学の先生になるのかな、と考えていましたね。
- 櫛田
- それなのに、どうして企業に勤めようと考えられたんですか?
- 鈴木
- ドイツでの研究途中に、ちょっと立ち止まって考えた事があったんです。博士課程を終えるまで、まだ2~3年はかかりそうだ。けれど、自分が世の中の役に立てる事が、ほんとにこの研究の先にあるのかな?って。その時に、何となく違和感を感じたんですよね‥‥。
45人の外国人を前にして
- 櫛田
- ドイツでの博士課程で感じた違和感とか、どのようなものだったんでしょうか?
- 鈴木
- 当時、僕がいた大学は東ドイツの人口三十万人都市で、日本人は僕ひとり。もともと共産主義の地域なので、一昔前だと、英語で話しかけてもロシア語で返ってくる、そういう街だったんです。外国人と言えばトルコ人か、共産圏時代に移住してきたベトナム人というようなところ。大学でも色々な国から来た人たちがよくケンカしているんですよ。そして唯一の日本人である僕はその間にたまたま居合わせて、仲裁したりして(笑)。
- 櫛田
- (笑)
- 鈴木
- でも今振り返ってみれば、そんな経験から、人と人のコミュニケーションのあいだに立てる、いわば緩衝剤になれるんじゃないか、と気づいたんです。
それまでは自分が役に立てるとは思わなかったけれど、人と人をつなぐ事って楽しそうだな、と。
- 櫛田
- なるほど。
- 鈴木
- 日本に帰って大学の先生やるのもいいけど、もっと自分の能力を世の中のために活かすにはどうしたらいいかって考えたんですね。
一人で研究や実験で成果出して貢献する方法もあるけど、いろんな人を巻き込みながら進めていく方が、もっと効率がいい。自分がその中心力になれたら、影響力も大きいし、もっと貢献もきっとできるんじゃないか、っていうふうに思ったんです。それに、やっぱり人が好きで、人と接するのが多い仕事がいいなと。
- 櫛田
- 理系の研究者から、ビジネスの世界へ、すごい転身ですね。
- 鈴木
- そうですね。でも、海外では、経営者や政治家が、意外と理系の博士だったりするんですよ。例えば、ドイツのメルケル首相も、物理学の博士です。
物理学というのは、要は「ある事象をどうやって説明するか」ということをやっているんです。ニュートンから始まって、この300年余りのあいだ、様々な研究者達が、自然界で起こることの「どうやって」を、できるだけ分かりやすく説明する、そんな学問なんです。
「なぜそう思うのか、どう説明すればそれが正しいと言えるのか」という理系で学んだ考え方は、ビジネスや政治の世界でもとても活きると思います。
- 櫛田
- なるほどー。とはいえ、就職活動はどのようになさったんですか?
- 鈴木
- ドイツの大学院時代は、ドイツの奨学金をもらいながら勉強させてもらったわけです。留学していた自分としては、とてもありがたかったですね。
それで、やっぱりドイツのためになることしなきゃいけないのかなって思って、まずはドイツ軍に応募しようと履歴書を送ったんですよ。
- 一同
- へぇー!
- 鈴木
- 応募したのになかなか返事が来ない。しびれを切らして軍に電話で問い合わせたら「ああ、ミスタースズキ!きみ日本人だよね?ダメダメ!」って言われて(笑)。
よく考えたら日本人はドイツ軍に入れないんですよね(笑)。
- 櫛田
- そうですよね(笑)/dd>
- 鈴木
- それで、民間企業も受けたのですが、その中にドイツの住友商事がありました。
そとから見た商社のイメージで、人と人とをつなぎながら、利益を日本に還元する仕事っていいな、と思って、入社を決めました。
- 櫛田
- そうだったんですね。
- 鈴木
- 入社後に気が付いたのですが、海外の事務所に入社するのと、日本の本社に入社するのでは、働き方が全然違うんです。例えば、現地で採用された人は転勤がない。ドイツならずっとドイツを拠点にして業務に携わるという前提で入社するんです。一方で、東京本社にいると世界中どこでも派遣される。全く違う採用基準だし雇用体系も違うわけです。
もっとグローバルに働きたい。そして、日本の国益に適うような仕事がしたい、そう思って、東京の本社に入社し直しました。それが、ちょうど30歳になろうかという時でしたね。
- 櫛田
- なるほど、そんないきさつがあったんですね‥‥。
- 高石
- ところで鈴木さんは大学時代にサークルはCMSと黄河砂に入られていたそうですね。
一方は調和を大切にし、もう一方は自分を出す…一見対照的なサークルですが、その中で得られた経験が活きていることはありますか?
- 鈴木
- その2つの共通点はスポットライトを浴びるという事です。「舞台に上がりたい」「人前に立ちたい」。これに尽きます。
- 高石
- わかります(笑)
- 鈴木
- これが役に立ってるかと問われれば、ものすごく立ってますね。
でも、それを学ぶためにサークルに入ったわけではなく、多分そういったスポットライトを浴びることが元々好きだっんだと思います。今だってそうです。
- 櫛田
- 今、というと?
- 鈴木
- アジア圏のある国に出張したときの事なのですが。お客様とアポイントメントをとった時、「ついでに、日本の技術動向を聞かせてください。」というリクエストをもらったんです。技術動向は専門分野ではなかったけれど、相手が2~3人で、簡単な動向ぐらいなら説明出来るだろうと思って、気軽な気持ちで出発しました。ところが。現地に着いてみると目の前にクライアントの外国人が45人も座って、こっちを見ています。
先方の司会の方が、どういう風に始めるのかなと思ってたら、”Please!”しか言わないんですよ。しかも、2時間講義をしてくれって言うんですね。
- 櫛田
- すごい状況ですね(笑)。
- 鈴木
- しかも、そんなプレゼンをしなきゃいけないって知らされたのは、ほんの10分前。でもそこで「準備ができていません」と言って帰ることはできない。そんな状況で、緊張しっぱなしでしたが、やりきりましたね。そういう意味で、サークルでの経験なども役に立ったことは少なからずあると思いますね。
- 高石
- 物怖じしない姿勢ってこういう時に活きるんですね!私なら緊張してなにも出来なそうです(笑)
哲学メジャーは就職に不利?
- 櫛田
- 他にも、ICU時代の経験や学んだ事で、今でも覚えている事はありますか?
- 鈴木
- 森本あんり先生のキリスト教概論は、3回とって2回落ちました(笑)。ただ、世界に出ていくならやはり宗教については知らないと話にならないですよね。
先日パキスタンに出張に行く機会がありましたが、パキスタンは何の宗教だか知ってます?
- 高石
- イスラム教‥‥ですよね。
- 鈴木
- そうそう。現地では、スンニ派とシーア派が抗争している。自分が関係する国でテロや抗争が起こっていれば、「なにが起こっているんだ?」って気にせざるをえない。キリスト教概論は、結果的に2回も落としたけど、それでもなんとなく頭に入っている事が大事です。「そんな話もあったよね」程度の知識でも、かじった事があるのと、全く知らないとでは、全然違いますね。
- 櫛田
- 確かに、そうかもしれませんね。
- 高石
- メジャーとキャリアの話についても質問させて下さい。
メジャーを悩んでいる学生の話を聞いていると、国連だったら国際関係をメジャーにしないといけないのですか、とか、それこそ商社マンになるためには経営学とか学ばないといけないんじゃないかとか、そういう話を良く聞くんです。
- 櫛田
- へー。うんうん。
- 高石
- 逆に、哲学メジャーはすごく興味があるけど、就職の時に「つぶしがきかない」んじゃないかという話も聞いた事があります。結構、メジャーとキャリアが繋がってないことを気にしてくる学生が多い気がするんです。
- 鈴木
- なるほど、気にするのも確かに分かります。でも、メジャーとキャリアが「繋がっていない」って、学生の皆さんはどうやって判断しているんだろう? 例えば、哲学メジャーで学んだことが商社では活きないと思っているけど、それって本当? そう思う理由は、どこから来ているんだろう?
- 高石
- 私達も、インタビュー前に、鈴木さんが所属なさっている自動車関連部署に理系出身者が多くいると聞いて、意外に感じたんです。
- 鈴木
- あー、そうそう。僕の所属部は、偶然かもしれませんが理系が多いですね。
- 櫛田
- 商社の事業部だったら、理系じゃなくて経営のような社会科学系のイメージがあるのですが‥‥。
- 鈴木
- 僕が所属している部は、例えば、自動車会社さんと一緒に、海外に工場を作るような仕事をしているんです。つまり、一緒に仕事をする相手は、日本を代表する自動車業界の技術者の皆さんです。もちろん、技術的な専門性はお持ちだし、英語も全く問題にしない方々も沢山居られます。また、当然ながら現地の会社に居られる日本人、現地人の方々とも一緒に仕事をします。
そんな時に求められる基礎力は、何かの専門知識ではなく、相手が専門家でも、日本人でなくても、臆することなく堂々と話せることなんです。
理系や文系は関係無い。ただ、理系の人間なら、分野が違えど図面に書いてあることはなんとなく分かるし、相手が技術的な専門家だということだけで臆することは少ないかもしれません。
- 高石
- なるほど、だから商社でも理系の方が活躍なさっているんですね。
- 鈴木
- そうですね。学生の時に学ぶような経営の知識なんかは、入社後に嫌でもやらされます。だから、何のメジャーを取ったら商社で有利、というものは無いです。さっき哲学の話が出ましたけど、もしも私が面接官をやっていて「哲学専攻してました」っていう学生が来たら、むしろ興味を引きますよね。「なんで商社に?」と聞きたくなる。
でも本当は、その専攻でやってきた事をどう咀嚼して、商社という仕事と関連付けて整理しているのか、それが知りたい。だから、結局はどのメジャーをやっていても、特に関係ないですよね。
- 高石
- 何を学ぶかよりも、どうやって関連付けているかを見られてるんですね。
- 鈴木
- あと、僕は成績を見るのは重要なことだと思っています。
理系でGPAが2.5の人と哲学科でGPAが3.8の人が応募してきたとしたら、迷わず後者を選びます。成績というのは、4年間であなたがどれだけ一生懸命学んだかを評価するものだと思っているんです。「成績は悪いですけれど、やる気はあります」というような熱意”だけ”の人は、通用しないように思います。大学での4年間を費やしてきたものが評価されているわけだから、成績が悪い人の今後4年間には期待できないですね(笑)。
- 高石
- なるほど‥‥。
- 鈴木
- 勉強してきた内容なんて、何でもいいんですよ。けれど、何かに対する熱もなく4年間過ごしてきた人っていうのは、商社には向かないんじゃないかなって思ってしまいますね。
一生懸命生きて来たかは、30分話せばなんとなくわかる
- 櫛田
- 要は、「大学時代にこれをやろう」と決めたら、そのことに一生懸命になるべき、ってことですか?
- 鈴木
- もちろんです。自分で決めた道を進むというのが一番だと思います。
経営の知識や、簿記の勉強などの仕事に必要な資格やスキルは、社会人になってからでも勉強できる。だから、学生のうちに焦ることはないと思います。
- 櫛田
- 最後に、メジャー選択やこれからのキャリアに悩んでいる学生にアドバイスをお願いします。
- 高石
- 私たち学生は、まだ「ICUで学んでいる」という点でしかないので、これからこの点が未来につながっているのだろうか、と不安になる人もいるかと思うんです。
- 櫛田
- なるほど‥‥。
いや、つながりますよ。
不安を抱えている学生がいるとするならば、その人はきっと、自分が就職したい業界や企業と、興味のあるメジャーの間に、なんらかの「ズレ」があると思うから不安に感じるんでしょうね。
でも、それって本当に「ズレ」なんでしょうか。
大学時代に本気で打ち込んだ学びが、将来全く無駄になる事なんてありえないと思うんです。
- 高石
- まず、何故「ズレ」を「ズレ」だと思うのか、というところからなんですね。
- 鈴木
- 理系の研究者から、ビジネスの世界へ、すごい転身ですね。
- 鈴木
- そうですね。
あと、「就職に有利だから」などという近視的な見方は、専門職を希望しない限りは必要ないと思います。その専門職でも、本当に専門性を求めているのであれば、ICUの学部卒業程度では難しいでしょう。ICUで学んだという強みは、そこではない。もっと他のところにある。そういう意味では、あるメジャーに興味があって、それとは関係がなさそうな業界に興味があったとしても、迷わず自分の興味を貫いた方がいいですね。
でもそこに妥協があっちゃいけない。全く関係ない業界を志望して、さらに勉強も中途半端ならば、企業側も採用する理由が全くないですからね。自分がやりたいことを一生懸命やることに尽きると思います。
- 櫛田
- 他には、「ICUは専門を勉強するのが2年間しかないから、4年間一つの学部で学ぶ他の大学に比べたら浅くしか学べない。就職にも不利だ」という学生もいます。
- 鈴木
- そう言う学生には、2年間の専門分野の学びで、本気で勉強したのか、GPA4.0取ったのか、と言いたいですね。
私はICUで物理を学びましたが、当然他大学に比べたら、予算も設備も人数も規模は小さいです。でも、多大の学生と比べても“深さ”は負けてなかったと考えています。人数が少ないからこそ、先生や周りとの濃くて深い議論が出来るのがICUの強みです。人数が少ないからこそ、自分で答えを見つけざるを得ない。そんな貴重な経験ができました。
2年間しかないから浅いと言っているのは、単に本気で打ち込んでいないことへの言い訳ですね。
- 高石
- たしかに、そうですね‥‥。
- 鈴木
- やりたいことが見つかるタイミングは人それぞれだとは思います。でも、大学での勉強も半分過ぎようとしているのにまだやりたいメジャーもわからない、っていう人は、この先もわからないままだと思います。それなら、「つぶしがきく」でも理由はなんでもいいから、ひとつのことに真剣に取り組んだ方がいいんじゃないかな。どんな専攻でも、本気で取り組めば結果として「つぶしがきく」ことになりますよ。
- 櫛田
- 確かにそうですよね。
- 鈴木
- 人って、30分も話せば相手がどういう人なのか大体分かると思っています。
その時に大事なのは、「この人は今まで真剣に、一生懸命に生きてきたか」だと思うんです。この人に任せれば途中で投げ出さないだろうか、だとか。この人は適当なことを言っていない、自分が理解して腑に落ちたものをこちらに伝えている。そういうことは話せばわかると思うんです。私も、ずっと理系の物を扱ってきましたが、最近は理系とか、文系とか、どうでもよくなってきたんです。結局、仕事をしていて一番嬉しい瞬間は、「鈴木さんだからこそ!」と言われた時です。
皆さんも、何を学んでいるかというよりは、「あなただからこそ!」と言われるような人間になる事を目指して、何かに必死で取り組んでみる事をお勧めします。一生懸命やれば、人は必ず見ていてくれると思います。
- 一同
- はい、分かりました!本日はありがとうございました。
<おわりです>